国内の半導体業界活性化は、米国で製造されたふっ素樹脂の供給によってある程度決まる重要な目標です。
携帯電話を見ようとした際、あるはずの場所になくうろたえてしまい、見つかった時に安心感を覚えるという感覚を私たち全員が経験しています。あらゆるものにつながるパイプが常に存在する状態を私たちは当然だと考えます。
パンデミックによって生じた混乱がこのことをかつてないほど浮き彫りにしました。直近の2年間で、在庫の納品の遅れがいかに腹立たしく、携帯電話やラップトップPC、自動車、テレビ、その他多くのデバイスを製造するサプライチェーンがいかにもろいものであるかがはっきりと示されました。重要な品が見つかりにくくなり、価格が上昇し、到着が遅くなるといった問題を私たちほぼ全員が経験してきました。
こうした遅れについての同様の説明を自動車ディーラーやモバイル機器店、メディアで耳にしてきました。「チップの欠品」は新しい携帯電話、自動車、テレビ、その他のテクノロジーの欠品を意味します。「マイクロチップ」すなわち半導体が、当然のことながら今日のほとんどのテクノロジーの中心にあります。これらの現代エレクトロニクスの頭脳は、家電製品や電子機器だけでなく、軍用機や防衛システム、電力網、最先端の医療機器などにも使われています。半導体は米国の国家安全保障や経済的利益の中核を占めるにもかかわらず、その9割が中国などの外国で製造されており、パンデミックが長引くにつれますます手に入りにくくなっています。
私たちは現在奮闘している最中です。国内メーカーの主導の下、米国政府の支援を受けて、この国に必要な半導体を国内で製造しようとしています。製造能力が再び向上すれば、そのプロセスにおける一企業の存在は必要不可欠になります。馴染みがないかもしれませんが、それはChemours(ケマーズ)です。Chemours(ケマーズ)はふっ素樹脂という極めて重要な材料の国内における生産者であり、ふっ素樹脂がなければ国内で半導体製造を行うことはできません。ふっ素樹脂の一種であるPFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)に関しては、Chemours(ケマーズ)が唯一の国内における生産者です。
半導体は米国の国家安全保障や経済的利益の中核を占めているにもかかわらず、その大半が中国などの外国で製造されています。
ふっ素樹脂は有機分子であり、その主鎖は化合物の中で最も強い化学結合である炭素-フッ素結合です。ふっ素樹脂は極めて腐食に強い独自の特性の組み合わせを備えており、温度や薬品、火、気候の影響を受けることなく、水などの物質をはじきます。
繊細な環境で半導体の組み立てや輸送を行わなければならないといったさまざまな理由から、ふっ素樹脂は半導体製造において重要な存在です。半導体は、厳しく管理された「クリーンルーム」内で全身防護具を着用した作業員の手で製造されます。製造プロセスで侵入する髪の毛1本やほこりの粒子、温度や空気の質のわずかな変化でさえ、チップを使用に適さない状態にしかねません。半導体メーカーは製造時に溶剤から極めて細かい粒子を除去し、溶剤を輸送および保管する際にふっ素樹脂を使用します。
Chemours(ケマーズ)のPFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)ふっ素樹脂は、パイプ、チューブ、バルブ、ポンプ、容器、タンクのライニングの原材料として、特に汚染を防ぐ役割を果たし、製造機器に欠かせないものです。
Chemours(ケマーズ)のこの製品がなければ、米国の半導体メーカーは外国製の代替品に頼ることを余儀なくされ、サプライチェーンの途絶を引き起こし、国内のサプライチェーンの安全性を脅かすことになるでしょう。
Chemours(ケマーズ)はふっ素樹脂という極めて重要な材料の国内における生産者であり、ふっ素樹脂がなければ国内で半導体製造を行うことはできません。
米国は半導体サプライチェーンの強化を計画しているため、こうした努力を費やすきっかけとなった不足から得た大きな学びを覚えておく価値はあります。1つの輪がチェーン全体を傷つけかねません。米国内で半導体製造を行うには、頼れる材料の確保と支援が必要です。
「半導体を用意できない」が「自動車を作れない」と同義だったように、「ふっ素樹脂を用意できない」は「半導体を作れない」を意味します。