バスは、ディーゼルの排気音にタービンのようなエンジン音が重なった独特の音をたてます。大都市ではもちろん、この音を耳にするでしょう。ただし、中国、特に深セン市に行った場合は別です。
その都心部に住む1,200万人の人々は、ほぼ100%電動化されたバスネットワークを利用できます1。このネットワークは、中国のおよそ40万台強の電気バスのうち、少数ながらも重要な部分を占めています2、3。これは交通機関の脱炭素化に向けた大きな一歩であると同時に、現代生活の基本的な部分がどのように進化していくのかを示す先行指標でもあります。
もちろん、生きるための基本である衣食住は今も昔も変わりませんが、現代社会では、多くの人が新たな必需品を求めています。私たちが現代社会で成功を収めるには、生活に大きな変化をもたらす新しい技術が必要です。すでに数十億人が都市に住んでおり、日々、さらに多くの人が都市に移動しています。それらの都市はスマートインフラを拡大して、都市生活の効率をさらに高めています。どこに住んでいても、冷凍冷蔵機器があると食生活の質が大きく向上し、ユビキタスな接続性で広い世界とつながることができます。次世代の交通手段はより簡単に、より少ない排ガス量で、私たちをいろいろな場所に連れて行ってくれます。私たちが移動させる物品についても、同様です。温暖な地域(特に、日に日に温暖化していく地域)に住む場合はエアコンに頼っており、すべての人がエネルギーを必要としています。これらは新たな必需品で、その必需品と地球に対する責任とのバランスをとることは今後数十年の緊急課題であり、特に化学産業にとって重要な課題です。