ふっ素樹脂
ふっ素樹脂はユニークな特性を兼ね備えていることから、現代生活にとっても、グリーン経済をはじめとするさまざまな分野や産業にとっても、欠かせないものになっています。耐火性、耐候性、耐熱性、耐化学性、非湿潤性、非粘着性、高性能誘電性といった特性です。
ふっ素樹脂は、経済のほぼすべての主要分野の用途で重要な役割を果たしています。そうした分野や業界では、失敗が許されない用途で、指定された性能を満たす製品を必要としているため、ふっ素樹脂が欠かせません。
未来の交通手段がここにあります。
詳細Chemours(ケマーズ)の目的は、化学の力でより良い世界を創造することです。私たちは、当社の事業セグメントを通じて、より優れ、より安全で、より信頼性が高く、より持続可能な科学ソリューションを提供します。私たちの製品は、気候変動や持続可能な目標達成に重要な役割を果たしています。実際、2030年には当社の収益の50%もしくはそれ以上が、UN SDGs(国連の持続可能な開発目標)に具体的に貢献する製品群になります。
化学製品は、品質や性能以上の価値がますます求められるようになっています。また、安全性と徹底したプロダクトスチュワードシップへの揺るぎないコミットメントを持って必要不可欠な技術に貢献し、そのすべてが私たちが共有する地球を念頭に置いて行うことも求められています。私たちは2018年、企業責任コミットメント目標を通じて責任ある化学を実現することを公約し、それ以来、意欲的に実行してきました。
私たちは、製造工程におけるPFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)を責任を持って管理する義務と、2030年までに製造工程からのPFASの大気および水への排出量を99%以上排除するというコミットメントに真摯に取り組んでいます。Chemours(ケマーズ)は、化学品製造業界で初めてこのような公約を掲げ、業界をリードしています。
コミットメントには、行動と進展が伴わなくてはなりません。私たちはPFAS排出量を2017年比で99%以上削減するため、オランダのドルドレヒト工場に7,500万ユーロを投資しており、2021年と2024年に重要なマイルストーンを達成する予定です。ノースカロライナ州のファイエットビル工場では、ふっ素系排出物を2017年比で99%削減するための技術の導入に成功しています。ファイエットビルでは、排ガス制御技術に1億米ドル超を投資し、一連の排ガス制御機器を設置しました。機器に排出されるふっ素系有機物を、最新の熱酸化装置が99.999%破壊します。
ふっ素樹脂はユニークな特性を兼ね備えていることから、現代生活にとっても、グリーン経済をはじめとするさまざまな分野や産業にとっても、欠かせないものになっています。耐火性、耐候性、耐熱性、耐化学性、非湿潤性、非粘着性、高性能誘電性といった特性です。
ふっ素樹脂は、経済のほぼすべての主要分野の用途で重要な役割を果たしています。そうした分野や業界では、失敗が許されない用途で、指定された性能を満たす製品を必要としているため、ふっ素樹脂が欠かせません。
複雑に絡み合った世界で、技術の進歩は私たちの日常生活のほぼすべての側面に変化をもたらしています。家族や友人とつながり合い、オフィスへの通勤時間を短縮し、世界を見ることができるようにし、私たち自身と地球をよりよく守るのに役立っています。ふっ素樹脂はこうした技術的進歩の中心にあり、5G、クリーン水素、自律走行車、スマートシティ、人工知能といったイノベーションの次の波を解き放つ重要な役割を果たしています。
このような技術の進歩により、今後5年間で大きな成長が期待できる市場が生まれています。例えば、私たちの製品は半導体にとって不可欠です。2025年までに750億個の「モノのインターネット」デバイスが製造され、そのすべてに半導体が必要だと言われています。また、EUが意欲的な脱炭素目標を達成するために必要な「水素戦略」にも、当社の製品は欠かせません。75カ国を超える国が、気候変動の目標を達成するため、排出量ネットゼロや水素に関する具体的戦略を掲げています。これらの目標は、水素関連の取り組みに700億米ドルを投じるというコミットメントによって支えられています。
ふっ素樹脂は「短鎖」や「長鎖」の化学物質ではなく、環境中で安定していて劣化しない「低懸念ポリマー」とされています。ふっ素樹脂は、水に溶けたり汚染したりせず、人の血流に入ったり蓄積したりすることはなく、人の健康や環境に重大なリスクとなることはありません。ふっ素樹脂は、体内に吸収されることはなく、毒性もなく、移動性もありません。
したがって、ふっ素樹脂は、重大な毒性の懸念がなく、分解して他のPFASになることがないため、経済協力開発機構(OECD)の「低懸念ポリマー」の基準を満たしています。
ふっ素樹脂を含む当社のすべての製品は、米国、欧州、中国、日本の規制要件や規格に準拠して開発されています。
ふっ素樹脂は、他の化学物質とは異なるユニークな特性を兼ね備えており、その特性によって、各分野や産業、さらには広く社会にとって不可欠な存在となっています。その特性によって耐久性、効率性、信頼性、汎用性が高まり、最終的に使用される製品にとって欠かせないものになります。
Fガスは、高性能かつ低GWP(地球温暖化係数)を実現する特殊な性能の冷媒・流体です。
Fガスは、冷凍・空調・ヒートポンプ(refrigeration, air-conditioning, and heat-pump:RACHP)用途のほか、一部の発泡剤、噴霧剤、溶媒などに使用されています。Fガスのメリットは、自動車用冷凍冷蔵機器の地球温暖化係数(GWP)の低減、医薬品やワクチンの保存と安全な流通など、多岐にわたります。
Fガスは環境に大きなリスクを及ぼすものではなく、喘息治療用の加圧式吸入器のような非常に特殊な用途を除き、環境に放出されるものではありません。Fガスはクローズドシステムで使用され、使用後に回収されます。また、既存のFガス規制では、対象となるすべての物質について、しっかりとした回収メカニズムを規定しています。
Fガスが提供するのと同じ特性、用途、社会的利益を兼ね備えた普遍的な代替品は存在しません。代替品は、人の健康や環境に対する安全性がFガスと同じレベルではなく、吸入・火災リスクが大きいため、健康と安全上の理由による懸念が示されています。
2025年までにPFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)の製造と使用を制限する予定の規制プロセスが、EUで正式に開始されました。REACH規制(化学品の登録、評価、認可及び制限に関する規則)下でPFASを制限する提案は、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク各国のREACH当局が共同で作成したもので、2021年7月に欧州化学品庁(ECHA)によって受理されました。EU加盟国5カ国の当局が2023年1月13日に規制文書を提出し、この文書は2023年2月7日に事前公表されました。
ECHAの科学委員会であるリスク評価委員会(RAC)と社会経済分析委員会(SEAC)は、2023年3月に規制案がREACHの法的要件を満たしているかを確認します。要件を満たしていれば、両委員会はこの提案の科学的評価を開始します。
2023年3月22日に6カ月にわたる協議が開始され、関連するステークホルダーを招いて規制内容について意見が交わされます。この協議は、規制文書が与える可能性のある社会経済的影響に関するデータと意見の収集に役立ちます。ECHAは、規制プロセスについて説明するとともに、協議への参加に関心を寄せるステークホルダーを支援するため、2023年4月5日にオンライン情報セッションを開催します。
通常、ECHAのリスク評価委員会(RAC)と社会経済分析委員会(SEAC)による規制文書の評価は12カ月以内に公表されます。しかし、提案内容が複雑であり、情報が広範囲に及ぶことを考慮し、ECHAは両委員会が意見の取りまとめ期間を延長する可能性があると述べています。
規制文書の提出に伴い、5カ国のREACH当局は、安全性プロファイル、社会的利益、PFASに対する既存の規制の枠組みを考慮せず、化学物質の構造的特徴のみに基づき、すべてのPFASを1つのグループとして規制することを検討しています。Chemours(ケマーズ)は、この提案において、効果的で科学的根拠のあるアセスメントおよび規制を行うにはPFASの定義が広すぎると考えています。PFASは、物理化学的特性や暴露条件などの確立された科学的な基準を用いて、規制アセスメント用に明確に分類することができます。
フルオロポリマーやFガスは、経済のほぼすべての主要分野で重要な役割を果たしており、独自の特性の組み合わせを備え、意図した用途において安全です。また、フルオロポリマーやFガスが提供するのと同じ特性、用途、安全性、社会的利益の組み合わせを備えた普遍的な代替品は存在しません。
Chemours(ケマーズ)は、EUにおいてより安全で、より性能の高い化学品の使用につながり、EUの産業バリューチェーンの持続可能性を実現する、首尾一貫した規制アプローチを支持しています。
PFASの制限に対して提案されている規制アプローチは非常に広範であることから、私たちは、PFAS化学物質の中の1グループであるフルオロポリマーとふっ素系ガス(Fガス)は除外されるべきであると考えています。その理由には、フルオロポリマーとFガスの安全なプロファイル、EU経済における重要な用途、既存の規制の枠組みにおける先進性、および制限が欧州の数多くの産業に与えるであろう著しい影響が挙げられます。経済的な観点だけではなく、EUの気候、戦略的自律性、イノベーションの目標を達成する産業界の能力にも影響を与えます。これには、持続可能なスマートモビリティ戦略、リノベーションウェーブ戦略、EU水素戦略といったグリーンディールの取り組みに含まれる2030年の温室効果ガス(GHG)排出量目標だけでなく、半導体製造の意欲的な目標など、革新的な分野における戦略的自主的な目標も含まれます。
PFAS規制プロセスが正式に開始されたことを受け、私たちは適切な管轄官庁と協力し、フルオロポリマーとFガスの安全性や社会経済的価値について、データのギャップを埋め、追加情報を提供することに尽力しています。さらに、バリューチェーン全体で産業界が協力して関与することで、私たちは、すべてのステークホルダーにとって建設的な規制が実現すると確信しています。
また、全世界の当社製造施設でふっ素有機化合物の大気および水域への排出量を2018年の基準から99%以上削減するという当社の2030年の企業責任コミットメント目標を含め、責任ある製造への当社のアプローチは、フルオロポリマーとFガスは安全に製造・使用でき、これらの化学物質のライフサイクル全体で責任を持って取り扱うことが可能であることを実証していると私たちは考えています。
2021年10月18日、EPA長官のマイケル・S・リーガンより、EPAのPFAS戦略ロードマップが発表されました。ロードマップには、第1期バイデン・ハリス政権(2021~2024年)中にEPAが予定している具体的なアクションのスケジュールが定められています。重点が置かれている重要な指令は (1)調査、(2)制限、(3)修復の3つです。ロードマップには、EPAのプログラムオフィス内[化学物質安全性・汚染防止局(OCSPP)、水担当局、国土・緊急対応局(OLEM)、大気・放射線局(OAR)、研究開発局(ORD)]の主要な活動と、プログラム全体にわたる取り組みが記載されています。
PFAS戦略ロードマップの詳細については、EPAのウェブサイト(https://www.epa.gov/pfas)をご覧ください
全米試験戦略では、EPAが24のカテゴリーでPFASを特定した方法を説明しています。EPAは、有害物質規制法(TSCA)第4条に基づき、24のカテゴリーを代表する候補物質の試験を実施するよう企業に求めます。また、試験戦略ではPFASの各候補に対する段階的試験手法についても説明しており、カテゴリー内での追加試験の必要の有無が示されています。EPAは、フェーズIAでは人間の健康データに、フェーズIIでは生態毒性に重点を置いて、段階的に戦略を実施する予定です。
全米PFAS試験戦略の詳細については、EPAのウェブサイト(https://www.epa.gov/assessing-and-managing-chemicals-under-tsca/national-pfas-testing-strategy)をご覧ください