冷蔵機器テクノロジーリーダーのChuck Allgoodが、レストランの繁盛を支える最新の冷凍冷蔵機器について語ります。
食品に塩をふる保存法
タラの身からツンとする匂いがしたらどうしますか。それがゼリーのようなプルプルした触感だったらどうでしょう。食べたいと思いますか。
北欧の珍味であるルートフィスクを口にすると、そのように感じます。多くの伝統的な保存食と同様、他の地域の出身者にとっては、何度も試してだんだんと好きになるような味です。冷蔵機器が登場する前は、生鮮食品を保存するには塩漬けや発酵などの伝統的な保存方法しかありませんでした。
塩分を大幅に減らして食品を保存する方法
現代では、いろいろと役に立つ機能を備えたキッチン用冷蔵庫が活躍しています。でも、あまり知られていない機器であるレストラン用冷蔵庫の威力を考えてみましょう。限られた換気、油のべたつきと高温にさらされる過酷な環境下で動作しなくてはならない機器です。Opteon™(オプテオン™)のような地球温暖化係数(GWP)の低い先進的な冷媒は排出温度が低いため、すでにストレスにさらされている冷凍冷蔵機器(および同様にストレスを受けている料理人たち)の負担を軽減し、レストラン用冷蔵庫を最高の効率で稼働させることができます。高価な食材を最適な温度に保つことは、レストランの料理を安全かつ美味しく仕上げることにつながります。
冷凍冷蔵機器はまた、家庭料理を健康的で栄養価の高いものにします。しかし、どこで食事をするにせよ、食品は腐敗しやすいものであり、魚介類はその最たるものです。また、その傷みやすい珍味は、食卓で皿にのるまで長距離の輸送をしなければなりません。幸い、漁を行うトロール船から、魚の切り身をフライパンにのせる料理人まで、コールドチェーンが形成されています。そして、そのすべてが冷凍冷蔵機器に依存しています。
シーズンオフのために保存されたリンゴ、青果物としての販売用に順番待ちをしている未熟なバナナ、舌の肥えたお客様のために予約している高級魚など、冷蔵保存されているものは何でも、安全かつ確実に出荷しなければなりません。毒性のある冷媒が一度でも漏れれば数百万ドル相当の在庫が失われる可能性があり、極限の状況下で機器が故障する可能性もあります。幸い、Opteon™(オプテオン™)のような先進的な冷媒は安全でGWPが非常に低く、捕獲された水産物を持続可能な方法で保存しながら、地球も守ります。
新しい冷媒は、人々が買い物をする際にも持続可能性をもたらします。ネット通販のおかげで保存の利く恒常商品は直接消費者に届けられることが多いため、食品市場は健康的な生鮮食料品に注力しています。その結果、市場ではモジュール化した密閉型の冷蔵セクションを設けるようになりました。
ただ、ずらりと並んだ新鮮な魚、山盛りのブロッコリー、大量のギリシャヨーグルトの近くに、塩タラの箱もいくつか置いてあります。そういった昔からある珍味は、ごちそうではあります。万人受けしないだけです。あなたがルートフィスクのような伝統的な保存食を鼻で笑っているとしても、少なくとも、現代の冷凍冷蔵機器はたくさんの選択肢を与えてくれるのです。
このコンテンツは、2018年12月17日付のChemical & Engineering Newsに掲載されました。